豚の角煮を作ろう
豚の角煮の魅力は、「豚肉という割合安価な肉を使った美味しい料理である」ということと、「調理に手間が掛かるご馳走」であるということに集約されるといえます。豚肉の脂身は肥満の元として忌避されがちですが、豚の角煮では美味しさの元として好まれていることも魅力のなせる業であるといえます。
角煮の起源
豚の角煮の原点は、中華料理の「トンポーロー」にあります。トンポーローは、皮付きの豚バラ肉を煮込み蒸して柔らかくしたもので、北宋の詩人である蘇東坡が考案したものといわれています。トンポーローが日本に伝わったことで、沖縄の「ラフテー」や長崎の「東坡煮」、鹿児島の「とんこつ」などの郷土料理へと変化していったといわれています。
角煮のポイント
豚の角煮は、ラフテーや東坡煮ともトンポーローとも違う料理へと変化しているといえます。トンポーローとラフテーでは、皮付きのばら肉が使われます。トンポーローや東坡煮は煮込んだ後で蒸して柔らかくします。一番近いのは鹿児島の「とんこつ」で、中国の一度煮て蒸し上げるという料理法から、時間を掛けてじっくりと煮込んでいくという日本的な調理法へと変化しています。この調理法の違いこそが豚の角煮の最大の特徴なのです。
豚の角煮のレシピ
豚の角煮を美味しく作るには、「調味料を入れすぎない」ことと「下処理の手を抜かない」ことであると言えます。味を決定する調味料は、煮込むにつれて煮詰まっていくので薄味くらいでちょうどいいのです。また、下処理をきちんと行なうことで煮込み時間を短縮することが出来ます。
材料(4人分)
豚ばら肉ブロック…600g程度、醤油…大さじ4杯、みりん…大さじ3杯、砂糖…大さじ3杯、水…1リットル程度、長ネギ…1本、生姜…1個
作り方
まず、豚肉を立方体状の食べやすい大きさに切っておきます。豚肉を切ったらフライパンで焼き目をつけるか下茹でするかして、油を抜く下処理を行ないます。油を抜くことで煮込んだときに柔らかくなるのです。表面の色が変わる程度に熱が通ったら下処理を終え、深めの鍋に肉を移します。肉が漬かる程度に水を入れたら鍋を火に掛け沸騰させます。一煮立ちしたら、醤油・みりん・砂糖を加え、切った長ネギと生姜の薄切りを臭い消しのために入れて、弱火で煮込んでいきます。浮いてきた灰汁を取り除きながら1時間ほど煮込み、肉をひっくり返してアルミ箔などで落し蓋をしてさらに煮込みます。さらに一時間ほど煮込んだら、火を止めて鍋が常温になるまで冷ましておきます。鍋全体が冷えたら煮汁の表面に浮かんでいる凝固した脂を取り除き、もう一度火を入れて温めて器に取り分ければ出来上がりです。
角煮の工夫
豚の角煮を作る時に長ネギや生姜を入れるのは臭いを消すためですが、皮を剥いた大根を入れることがあります。これは、煮汁の旨味を大根に移すためと大根に含まれている消化酵素の力で豚肉を柔らかくするためです。また、東坡煮やトンポーローにする場合は、皮付きの豚ばら肉を使いますが、表面に残っている毛をカミソリで剃った後火で炙って取り除く下処理と、丸ごと煮込んだ後長時間蒸し上げる必要があります。
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